水泳の消費カロリーを計算する方法とは?ダイエットのコツも解説
水泳の消費カロリーを計算する際は、METs(メッツ)という指標を使います。メッツは、運動ごとに設定されており、メッツに運動時間と自身の体重をかけることで、エネルギー消費量(kcal)を算出できます。
たとえば、「クロールをふつうの速さで泳ぐ」ときのメッツは8.3なので、体重40kgの人が1時間運動した場合、計算式は【8.3メッツ×1時間×40kg】で、約332kcalの消費という計算です。
当記事では、メッツの概念や、水泳の消費カロリーの計算方法、水泳の消費カロリー一覧などについて、幅広く取り上げます。
1.水泳の消費カロリーを算出するときには「メッツ」を使う
水泳の運動強度を表すMETs(メッツ)とは、安静時のエネルギー消費量を1としたときの、運動によるエネルギー消費量の相対的な指標です。つまり、METs値が高いほど、運動強度が高く、より多くのカロリーを消費できます。
身体活動とメッツ | |
---|---|
活動名 | メッツ |
立位(会話、電話、読書)、皿洗い | 1.8 |
歩行(時速4.5-5.1km) | 3.5 |
全身を使ったテレビゲーム(スポーツ・ダンス) | 3.8 |
自転車に乗る | 4.0 |
早歩き(時速6.4km)、野球、ソフトボール、サーフィン、バレエ(モダン、ジャズ) | 5.0 |
水泳(ゆっくりとした平泳ぎ)、スキー、アクアビクス | 5.3 |
水泳(のんびり泳ぐ)、ゆっくりとしたジョギング、ウェイトトレーニング(高強度、パワーリフティング、ボディビル)、バスケットボール | 6.0 |
ジョギング | 7.0 |
水泳(クロール、速い、69m/分) | 10.0 |
上記表を見ると、ゆっくりとした平泳ぎやアクアビクスは、野球やソフトボール、早歩きよりもメッツが高いことが分かります。また、のんびり泳ぐ水泳でも、高強度のウェイトトレーニングやバスケットボールに匹敵するメッツです。
ここからも、水泳はエネルギーを消費しやすい運動であることが分かります。
1-1.水泳の消費カロリーの計算方法
水泳の消費カロリーの計算方法は、以下の通りです。
【メッツ(METs)を用いたエネルギー消費量の計算式】
エネルギー消費量(kcal)=メッツ×時間×体重(kg)
運動時間と体重はすぐに分かるでしょう。
一方でメッツは、運動ごとにメッツの値を調べる必要があります。厚生労働省の「生活活動のメッツ表」や、より詳しく知りたい人は、国立健康・栄養研究所の栄養・代謝研究部の「改訂版『身体活動のメッツ(METs)表』」をチェックするとよいでしょう。
2.水泳の消費カロリー一覧
以下では、「改訂版『身体活動のメッツ(METs)表』」を元に、泳法別の消費カロリーを泳法ごとに紹介します。数値をもとにした計画的な運動計画・ダイエット計画を立てるのにも便利なので、ぜひ参考にしてください。
2-1.クロール
多くの人は、クロールで泳ぐことが多いでしょう。クロールは、比較的メッツが高いことが特徴です。
・クロールの消費カロリー(1時間運動をした場合)
運動名 | メッツ | 体重40kg | 体重60kg | 体重80kg |
---|---|---|---|---|
水泳:クロール、ふつうの速さ、45.7m/分未満 | 8.3 | 約332kcal | 約498kcal | 約664kcal |
水泳:クロール、速い、68.6m/分未満 | 10.0 | 約400kcal | 約600kcal | 約800kcal |
出典:独立行政法人国立健康・栄養研究所「改訂版 身体活動のメッツ(METs)表」
普通のスピードで泳ぐ場合でも、ジョギングやウェイトトレーニングよりメッツが高く、効率的にカロリーを消費したい場合にも向いています。
2-2.平泳ぎ
平泳ぎは、あまり強度がかからないように見えて、レクリエーションレベルの運動だと、実は背泳ぎよりもメッツが高い泳法です。
・平泳ぎの消費カロリー(1時間運動をした場合)
運動名 | メッツ | 体重40kg | 体重60kg | 体重80kg |
---|---|---|---|---|
水泳:平泳ぎ、レクリエーション | 5.3 | 約212kcal | 約318kcal | 約424kcal |
水泳:平泳ぎ、全般、トレーニング、競技 | 10.3 | 約412kcal | 約618kcal | 約824kcal |
出典:独立行政法人国立健康・栄養研究所「改訂版 身体活動のメッツ(METs)表」
トレーニングレベルの強度でも、速いクロール(68.6m/分未満)より、メッツが0.3ほど高くなっています。
2-3.背泳ぎ
背泳ぎは、4泳法の中では、最もカロリー消費が緩やかな泳法です。
・背泳ぎの消費カロリー(1時間運動をした場合)
運動名 | メッツ | 体重40kg | 体重60kg | 体重80kg |
---|---|---|---|---|
水泳:背泳ぎ、レクリエーション | 4.8 | 約192kcal | 約288kcal | 約384kcal |
水泳:背泳ぎ、全般、トレーニング、競技 | 9.5 | 約380kcal | 約570kcal | 約760kcal |
出典:独立行政法人国立健康・栄養研究所「改訂版 身体活動のメッツ(METs)表」
一方で、他の3泳法とはまた異なった筋肉の使い方をするので、バランスよく運動するためにも、背泳ぎも適宜取り入れるとよいでしょう。
2-4.バタフライ
バタフライは4泳法の中で、最も強度が高い運動です。
・バタフライの消費カロリー(1時間運動をした場合)
運動名 | メッツ | 体重40kg | 体重60kg | 体重80kg |
---|---|---|---|---|
水泳:バタフライ、全般 | 13.8 | 約552kcal | 約828kcal | 約1,104kcal |
出典:独立行政法人国立健康・栄養研究所「改訂版 身体活動のメッツ(METs)表」
バタフライは、初心者が習得するにはやや難しい泳法ですが、覚えれば最も効率的にエネルギーを消費できます。スイミングスクールを活用したり、動画などを見たりして、ぜひ練習してみてください。
2-5.そのほかの水中活動
泳ぐのが苦手な人や、激しい運動ができない人には、アクアビクスや水中歩行もおすすめです。陸上での歩行よりもメッツが基本的に高いので、ぜひ運動習慣の1つとして取り入れてみてください。
・そのほかの水中活動の消費カロリー(1時間運動をした場合)
運動名 | メッツ | 体重40kg | 体重60kg | 体重80kg |
---|---|---|---|---|
水泳:のんびりと泳ぐ、競泳用プール以外、全般 | 6 | 約240kcal | 約360kcal | 約480kcal |
アクアビクス:水中体操 | 5.5 | 約220kcal | 約330kcal | 約440kcal |
水中歩行:ほどほどの労力、ほどほどの速さ | 4.5 | 約180kcal | 約270kcal | 約360kcal |
出典:独立行政法人国立健康・栄養研究所「改訂版 身体活動のメッツ(METs)表」
水中歩行もゆっくりの場合はメッツが2.5、速めのペースの場合はメッツが6.8になり、自分のペースで調整することが可能です。
3.水泳でダイエットしたいときのカロリー消費のコツ
水泳は、全身運動で効率的にカロリーを消費できる運動ですが、運動効果をさらに高めるためにも、以下のポイントを知っておきましょう。
・事前にしっかりストレッチをする
運動前に十分なストレッチを行うことは、ケガの防止だけでなく、筋肉の柔軟性を高め、運動効率を向上させる効果があります。特に水泳では全身を使うため、肩、背中、もも、足首などのストレッチに時間をかけましょう。
・体を冷やさない
水温が低いと、体が冷え体温を維持するためにエネルギーを消費するため、カロリー消費量が増えます。一方で、体温が下がりすぎると、今度は体の代謝機能が低下し、カロリー消費効率も下がる傾向にあります。プールサイドで十分に準備運動をする、運動前後に温水シャワーを浴びる、休憩時にタオルやウェアでしっかり体を保温する…といった点を心がけてください。
・バランスよく食事をとる
泳いだ後には、しっかりとエネルギー補給をすることが大切です。炭水化物、たんぱく質、脂質をバランスよく摂取することで、筋肉の修復とエネルギーの補給を促進できます。可能であれば、水泳後おおよそ30分以内に、簡単なエネルギー補給を行うとよいでしょう。バナナとヨーグルト、サンドイッチと牛乳など、炭水化物とたんぱく質を組み合わせて摂取すると、筋肉の修復や成長をより促進できます。
また、水泳中は汗で水分を失いやすいため、こまめに水分補給をすることが大切です。喉が渇いていなくても、15分~20分おきに水を飲むようにしましょう。
まとめ
水泳は、全身運動であり、効率的にカロリーを消費できる運動です。水中ウォーキングは、4泳法と比較すると運動強度が低いですが、長時間続けられるので、その分多くのカロリーを消費することも可能です。メッツを参考に、ぜひ自分に合った運動強度で水泳を楽しんでください。
「タバタ」では、子ども用から大人用、競技用までさまざまなゴーグルを取り扱っていますので、水泳を始めるにあたってゴーグルが必要な方は、ぜひご活用ください。