ほとんどのフィットネスクラブや公共のプールでは、メイクを落とすことが義務付けられている。つまり、プールに入る時は、ノーメイクつまり、“スッピン”にならなければならないのだ。
しかし、プールの中とはいえ、女性はいつでも自分をキレイにみせたいもの。 ある日、菊地は友人との会話の中で、“女性用ゴーグルをさらに女性用にする”きっかけに出会った。フィットネスクラブに通う友人は、スイミングのインストラクターに恋(それは片思いに終わったが)をしていた。
恋をしている、していないに関わらず、プールの中では“スッピン”にならなければならない。
女性の心理からすれば、スッピンの顔は見られたくない。「プールの中でもキレイでいたい。キレイに見られたい」友人の言葉に、菊地は「プールで女性がキレイに見える、キレイでいることはできないか」と考えた。
ここ最近、水泳だけでなく、水中でのエアロビクスやウォーキング等、ストレス解消や陸上での運動に比べ効率良くカロリーを消費できることなどから、プールでのエクササイズをする女性は増えている。女性用ゴーグルVIEWFRAUラメ入りカラーが生まれた背景はここにもあった。 菊地は、VIEWFRAUを開発した女性メンバーを再度集め、「女性用としてさらに何が必要か?」「どうすればキレイに見えるか?」を徹底的に話し合った。
人の第一印象を決める要素として、目元は大きなポイント。目元を華やかで明るい印象を与える化粧品は数多くある。しかし、ゴーグルは、その目元を覆うものである。 そこで逆転の発想が生まれた。
「ゴーグルにラメを入れてみるのはどう?」
「それいい!」
女性メンバーの意見は一致した。
しかし、社内の説得を始め、具体化するのは試行錯誤の連続だった。 ゴーグルのベースカラーは、メンバーの意見がそれぞれ方向性の違うものだったが、それが最終的なカラーの決定につながった。セレブ感の青、元気なグリーン。そして、かわいい系のピンク。
VIEWFRAUは、目の周りに装着跡がつきにくいのが特長だ。
VIEWFRAU開発当初のアンケートに、「目の周りの装着跡がなかなか消えない」という声が多く見られた。
この声に対応すべく、肌にやさしくフィットする「超やわらか素材」と「しっかり素材」を新製法(特許申請中)により合体させ、さらに従来品よりひと回り大きなサイズのフェイスパッドを使用することで、圧迫感を軽減させ、装着跡をつきにくくした。これらの技術などにより「つけても外してもキレイでいられる」ということを可能にした。
そして今回、菊地は新製法の特性を活かし、直接肌に触れないフレーム部分に透明感と光沢感のバランスが絶妙なラメを施した。
どうであろう。この女性ならではの視点による製品開発の舞台裏は。 我々取材班(男性)には、女性の美へのこだわりを改めて教えられた気がした。このような各自のこだわりがVIEWの独創的な商品を生み出しているのであろう。